第二次世界大戦開戦前夜、937名のユダヤ人を乗せた豪華客船がハンブルグを出港する。彼らはナチス・ドイツの迫害から逃れて、アメリカを目指した。しかし大戦前の政治的駆け引きに翻弄され、寄港地ハバナ、最終目的地アメリカでも上陸拒否されハンブルグに戻らざるを得ない状況に陥った。ドイツに戻れば迫害が待ち受けている彼らは大西洋を往復する。
航海中のパーティで一人の女性が『ウィーンわが街』を歌い出すと、全員が静まり返り二度と帰れぬ故郷を偲ぶシーンが印象的である。